障がい発生の根本原因と発達理論②

 従来の支援は、脳が未発達のためにおこる原始反射やパニック、逃走、フリーズ等、不適切な場面で起こる生存行動を「嫌な思い出がフラッシュバックしたためだ」と解釈する。そのため、特に重度の方に対して「ストレスなく過ごさせてあげよう」という支援が行われていた。

 しかし、脳の特性上、ストレスを減らした環境は「発達しない環境」と言える。大脳新皮質が発達すると、原始反射が抑えられる。その大脳新皮質を発達させるためには、「運動」や「考える」等、ある程度、体にストレスとなる負荷が必要となる。

 脳の構造の説明

1 大脳新皮質とは、思考、見通しを持ったプランを立てる働きを担う。感情の抑制、身体周囲の認識等、人間の生産活動に必要不可欠な部位である。20代前半までに発達しきると言われている。ここが発達していないと、言葉や文字、絵だけでは、何を要求されているのか、理解していない可能性が高い。

 また、大脳新皮質が発達していないと感情のコントロールが難しいため、状況や場所を考慮せず、感情的な反応を起こす。見通しを持つことができないため、次に起こることや〝お決まりなこと″以外は認識できない。

 ‶絵カードやスケジュールで見通しを持たせて活動する″方法の問題はその絵カードや文字が表している活動を、本人が真に理解できているかどうかということである。

2 大脳辺縁系は記憶や感情、自律神経の働きを担う。

 偏桃体と呼ばれる感情(恐怖や不安、共感など)を感知する部分、海馬と呼ばれる短期記憶や顔や風景などの認知記憶する部分、側坐核というやる気に関する部分などで構成されている。大脳辺縁系が他の脳との連携ができていないと、感情のコントロールや記憶の定着に支障が出てくる。

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この記事を書いた人

たんぽぽカンパニーは、2014年に設立された新潟県内一不思議な障がい福祉事業所です。
発達障がいや自閉症のある方の困った行動を軽減・無くすために、登山や歩行などの運動療法に力を入れています。

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