脳を大脳新皮質まで発達させるため、体に残る原始反射を消失させるため、困った行動パターンに介入しやすくなるためには、栄養、運動、睡眠のそれぞれが、健康でいるための量を確保しないといけない。
この3種類の量を確保しなければ、細胞分裂をしていかないし、私たちの行動を起こす活力となる情報伝達物質の適切な生成と調整が行われない。そしてこの3つのどれかを欠いても細胞の修復と再生は鈍くなるし、情報伝達物質のバランスも崩れてしまう。
にもかかわらず、障がいのある方は、小さい頃からいずれも不足しているケースが多い。偏食や丸のみ、早食いによって栄養が腸でうまく吸収されなかったり、学校や家庭で充分に運動量が確保されていない状況がある。普通、小学校に入学すると徒歩で通学するが、障がいのある方は車での送迎がほとんどだ。
また、栄養が十分に摂れていないことや、日中に充分な活動量が確保されていないことによって、夜の睡眠の質が悪くなる。中途覚醒やなかなか寝付けないことなどが原因で、睡眠のリズムが整いにくい。
よって大脳までの発達と原始反射を失くすための筋力ができにくく、元々遅い発達がさらに遅くなってしまう、という悪循環に陥っている。その上この悪循環のせいで問題行動が増え、対応しきれなくなった教師は受診を勧め、医者は薬を処方する。
この薬は大概、向精神薬と呼ばれるものだが、別の情緒の問題や、食欲不振or食欲増加、じっとしていられない、不眠、便秘、筋肉のこわばり、嚥下困難、発汗(冷汗)、感染症にかかりやすくなる等、上げたらきりのない副作用を引き起こす。この副作用は、3本柱を成立させる妨げとなり、さらに発達を遅らせる要因になってしまう。
当事業所では、薬を飲む前にまず「運動」することを推奨している。

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